再生医療 < 幹細胞療法>
再生医療<間薬系幹細胞(MSC) 療法>とは
「再生医療」は、ヒトのもつ自己再生能力を医療に応用した先端技術で昨今の医療において最も注目される治療技術の1つです。
幹細胞は、障害部位を深し当てて自発的にその部位に集積するホーミングとよばれる力を持っています。それにより、障害部の細胞の保護、抗炎症、フリーラジカル消去、活性酸素種抑制による名駅調整効果を惹起し、劣化した細胞の修復や再生を促し、老化が誘発した機能低下の改善が 期待されます。
当院の提供している自己由来の幹細胞を用いた再生医療<間葉系幹細胞(MSC)療法>では、患者さんご自身の脂肪組繊から採取・培養した「幹細胞」で組織や臓器の修復や再生を目指します。ご自身の幹細胞を用いるため、薬物治療では避けられない副作用もありません。
PRPや培養上清治療に見られるエクソソーム、種々の成長因子、サイトカイン効果だけではなく、再生修復能力のある細胞を直接投与する、組組織や臓器の修復・再生作用も付加された新しい治療法です。
【特徴・効能】再生医療技術の違いと特徴
① 細胞を投与する再生医療
日本における再生医療の提供は、現在「再生医療等安全性確保法」で管理されています。当院の<間葉系幹細胞(MSC)療法>、法律の求められる手順に従い、国内有数(※注)の「第二種再生医療等提供計画」を受理され「脂肪由来間葉系幹細胞療法」を行っております。
※注 「加齢に伴う身体的生理的機能低下」「スポーツ外傷等による運動器障害」「動脈硬化症(心筋梗塞、脳卒中)」「慢性疼痛」「認知機能障害」「神経変性疾患」「慢性肺疾患(慢性呼吸障害)」「心不全」「慢性腎臓病」「肝硬変、肝線維症などの肝機能障害」「炎症性腸疾患」「動脈瘤」「糖尿病」「不妊症」「脱毛症」
② 細胞増殖因子などのシグナル因子による再生誘導
幹細胞の活性化を促す因子を与えることで再生誘導します。具体的には、成長因子製剤、PRP(多⾎⼩板⾎漿)療法などがあります。
当院の「ヒト幹細胞培養上清液(エクソソーム含有液)投与」「プラセンタ注射」「HART-F」「メソナプラス(培養上清液プレミアムメニュー)」はこの技術にあたるものです。
治療対象となる方と除外基準
万人が避けることができない老化は、様々な身体生理機能低下を招き数多くの疾患を引き起こします。例えば、血管病や骨・筋肉・関節などの劣化によるロコモティプシンドローム / サルコペニア / フレイル、皮膚の光老化、ひいてはがんの発生なども老化から誘発されます。「最近とくに年齢を感じる」「物忘れが激しい」「疲れが取れない」「健康感が喪失している」「肌の老化が気になる」など心身面での老いが気になる方はお気軽にお問い合わせください。
治療対象となる方
加齢による身体的生理的機能低下の状態にあり、その改善や増悪予防を希望される方。
具体的には以下の病態や症候が治療対象になります。
- 加齢に伴う老化が原因となる身体生理機能の低下及び障害
- 脳卒中、心血管障害などの動脈硬化を背景にした疾患群
- 活性酸素、フリーラジカルに対する抵抗力の低下
- 活性酸素、フリーラジカルによる酸化障害の増加
- 皮膚の光老化
- 骨量低下
- 筋肉量ないしは筋力の低下(サルコペニア)
- 虚弱(フレイル)
治療の除外基準
以下に当てはまる患者さんについては原則として治療ができません。
- 治療申し込み時点で18歳未満である方。
- 脂肪採取に十分耐えられる健康状態ではないと判断される方。
- 正常な同意能力を有さない、または代諾者から同意が得られないと判断される方
- 本治療に関する同意説明文書を受理し十分な説明を受け、自由意思による同意を文書で示していない(代話者が文書にて同意していない)方。
- 心不全、腎不全など、重篤な臓器障害を認める方。
- コントロールが不良な高血圧もしくは不整脈を認める方。
- 譫妄がある方
- 脂肪採取時から12週間以内に、B型肝炎、C型肝炎、エイズ、梅毒、ヒトT細胞白血病ウイルス検査の結果が陽性である方。
- 日常生活を普通に送れないほどの強い呼吸障害がある方。
施術の流れ
- 初診
カウンセリングと治療の説明を行います。
十分にご検討いただいたうえで治療を希望される方には同意書の記入と適応及び症状評価のための諸検査(採血他)を行います。 - 脂肪採取
局所麻酔下で、腹部周囲から米粒2個ほどの脂肪を採取します。(数mmの切開が必要です。) - 細胞培養
採取した脂肪組織は当院併設のCPC(細胞培養加工室)の安全キャビネット内で分離培養し、培地で相当数に培養増殖します。
4~6週間を要します。 - 投与
治療内容に合わせて、静脈点滴、経動脈カテーテル投与、髄腔内投与、局所注射などで溶液状のものを体内に投与します。
よくある質問
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なぜ脂肪由来間葉系幹細胞を再生医療に用いるのですか?
脂肪由来間葉系幹細胞は下記の点でより優れた幹細胞と評価されます。
1. 骨髄由来に比べて容易にかつ体に負担をかけずに採取できる。
2. 脂肪・骨・軟骨への分化能に加えて、骨髄由来にはない筋分化能も持つ。
3. 骨髄由来に比べて増殖能がより強く、増殖に伴う老化の影響や分化能の低下が少ない。 -
なぜiPS細胞はまだ臨床現場で使えないのですか?
iPS細胞は、あらゆる細胞を作り出せる万能細胞。
しかし、増殖に伴う腫瘍化(がん化)の問題があり治療において安全に調整するのが難しいことから臨床現場での応用は慎重にならざるを得ないのです。 -
脂肪採取から幹細胞投与までの期間は?
培養にあたっては、至適継代回数(頻度)、培養期間があります。
適切な培養によって順調に培養が進めば1億個前後の幹細胞が得られるまで3~4週間で投与が可能になります。 -
幹細胞培養の際に血清が必要と聞きました。どれくらいの量の採血を行うのですか?
細胞を培養する際には、ご自身の血清を利用するのが理想的です。
血清の確保は脂肪を採取する際に実施し、必要な血液量は100mlほどです。
(血液中の約50%が血清なので必要血清量としては約50ml) -
再生医療の幹細胞培養工程で、悪い細胞と良い細胞を分ける技術があると聞きましたが…
幹細胞の良性と悪性を見極めるには、幹細胞の形態・大きさ・均一さなどの評価条件があります。
培養士が丁寧に見極めて劣悪な細胞をしっかりと除去すれば幹細胞の選定は問題なく実施でき機械的にふるい分ければよいという単純なものではありません。
細胞分離の際に、幹細胞を効率的に採取するための機器はありますが、品質や精度の点で絶対的なものではありません。 -
投与する細胞数は多ければ多いほど良いのでしょうか?
幹細胞による治療効果は確かに細胞数の影響も受けます。ただし、一気に(短期間で)大量の細胞を投与することについては安全性が確認されていません。
また、細胞を増やす際に何回かの培地の植え替え(継代)が必要で、1回の細胞増殖・培養での継代数は3~5回以内が理想。いたずらに継代を増やして細胞数を多くすると細胞が劣化します。 -
「幹細胞は大きいので石灰化されたプラークや狭窄している動脈内に大量の幹細胞を投与すると詰まる可能性があり、心筋梗塞や肺梗塞の発症リスクがある」とのお話を聞いたことがありますが、その点は大丈夫なのでしょうか?
幹細胞の大きさは10から20マイクロメーカーと言われています。血液中に存在する代表的な細胞の直径は、赤血球が7から8マイクロメーター、最も大きい単球が30マイクロメーター、一般的にこの単球は8億から10億ぐらい全身をゆっくりと循環しています。
その中にある程度の割合の幹細胞を指摘速度で投与することにおいては、特に血管系にかかる負担はないと判断できると思います。
料金表
再生医療< 幹細胞( MSC )療法 > 施術料金
再生医療 | 165万円(税込) |
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治療費用に関して
- 再生医療は再生医療等安全性確保法の下での実施が義務付けられ厚労省の管理下で行われていますが、自由診療のため各医療機関で治療費用が異なります。
- 当院では、幹細胞の分離/培養/増殖を行うクリーンルームを医療機関に併設しており、良好な状態で培養増殖した幹細胞を劣化させずに迅速に投与できる環境を確保しています。
- 継続治療を希望される多くの方々のご要望に応えられるよう、細胞の永久保管環境を確保するなど実用面で配慮しております。
再生医療の症例
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【再生医療】症例(7)50代男性 加齢による身体機能・パフォーマンス低下、慢性疼痛、認知機能障害
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【再生医療】症例(6)50代男性 動脈硬化
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【再生医療】症例(5)40代男性 慢性疼痛(右下肢痛と右下腿~足部麻痺)
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【再生医療】症例(4)90代女性 動脈硬化(および慢性疼痛)
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【再生医療】症例(1) 60代男性 認知機能障害(レビー小体型認知症)
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【再生医療】症例(3)80代女性 動脈硬化(肘の慢性疼痛もあり)
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【再生医療】症例(2)70代女性 慢性疼痛(両膝関節痛)